ぼんさんのひとりごと
bonsan no hitorigoto第58話 29日に餅を搗くな!
■いよいよ年の瀬各家ではお餅つきの準備に大童です。
昔から12月29日には餅を搗くなと言われています。
二重の苦が憑いてくるというのです。
あるお寺に新任の住職が晋山してきました。
12月29日に餅を搗いています、檀家の人らが「住職さん今日はいけんぞな二重の苦が憑いてくる言うて昔からみんな搗かんようにしていますんや」
「そらおかしいですね!29日は福がついてくる言うて縁起がいいんですよ!!」
このように、迷信を信じて作業の段取りが立たないことがあります。
新任の和尚さん立派なご説法でした。
第57話 お大師さまを拝む黒猫(たま)
■今、家猫が2匹、近所に養子にいったのが2匹、外猫が12匹。その中で一番小さいのが写真の黒猫(たま)なのである。
生後2ヶ月くらいでしょうか?
境内にある修行大師の石像の前で祈るような仕草をします。 続きを読む »
第56話 永代供養塔
■このたび教深寺に安らえる霊福を一人でも多くの方におわかちいたしたく、永代供養塔を開設いたしました。
ある奇特なご婦人の多額のご寄付の申し出があり、この浄財を基に念願の永代供養塔が出来ました。 続きを読む »
第55話 ある町の町長さんの老後三様
■ある町の町長さんが辞めた後どうしたか3人の生き様を追跡しました。
★A町長さんは4期務め上げ5期目も周りから立候補するように薦められましたが、後進を若手に譲ることにしました。70歳でした。今は町内の老人会の会長として、近所の頼もしいお爺さんです。 続きを読む »
第54話 進君のかんじょう書き
■下村湖人の「心窓をひらく」のなかにこんなほほえましい話があります。
進君という子が、ある日、お母さんにかんじょう書きを書いてみせました。
「かんじょう書き」 お母さんへ
1、市場にお使いに行きちん 10円
2、お母さんのあんまちん 10円
3、お庭のはきちん 10円
4、妹を教会につれて行きちん 10円
5、婦人会のときのおるすばんちん 10円
ごうけい 50円 進より 続きを読む »
第53話 お墓掃除
■終戦後間もなくの昭和26年ごろ
わたしが小学校6年生のころ、父(住職)と村の70戸のお墓を年に4回掃除した記憶が甦ってきます。
お寺の農地10反が農地解放で小作の人に手放すことになり、お寺にお米が入ってこなくなりました。
子供5人はその日の食にも困ることになりました。 続きを読む »
第52話 蟻(あり)さん見ーつけた!!
■4歳児の子供とお母さんが3組いました。縁先で蟻を見つけました。
Aさん親子の会話
★「はよう!!はよう!!殺虫剤持ってきて、蟻がいるよ」
Bさん親子の会話
★「こんな所にお菓子の食べ残しを落としたらいかんね、蟻さんが来てる」
Cさん親子の会話
★「蟻さんも暑いのに良く働くね。子供のために餌を巣へ持って帰るんよね。巣の近くへお菓子の残りを 落としてやりましょう。こんな遠くへ来なくていいように。」
あなたはAさんですか、Bさんですか、それともCさんですか?
同胞(はらから)の友欲し蟻の道たどる 夏生
第51話 部下の失敗がシステムの改善に!!
■あるスーパーの惣菜センターの出来事でした。
早朝に各店舗に寿司類の製造と配送を受け持っていました。早出のA君が合わせ酢を担当していましたその日は珍しくA君が遅刻しました。
寿司飯を造るB君はすでに合わせ酢が出来ているものと思いそこにあった酢を使って酢飯を作りました約7斗味見した上司が酸っぱいのに気がつきました。
合わせ酢のつもりが只の酢だったのです。 続きを読む »
第50話 母の怒り
■一度も怒ったことのない母、私の小さい頃にはもう耳が聞こえなくなっていました、口やかましい父と違いもの静かでのんびりした性格でした。
いけず盛りの私が父に叱られて暗い本堂の中へ懲らしめの為入れられた時も、夜中こっそりとつれだしてくれました。
厳しい父と優しい母に護られて大きくなりました。 続きを読む »
第49話 60歳の手習い
■倉庫を整理していましたら、昭和33年から昭和40年ごろのNHKの英会話、基礎英語、ドイツ語講座のテキストが出てきました。
父が使っていたものでしょう。父60歳の手習いだったのでしょうか?
僧侶にとってあまり役にたつとは思えない分野なのに・・・・・・
頭の体操のつもりだったのでしょうか?
私は今、63歳そんな余裕はありません。
先代住職の父の一面を知ることになりました。
私らに「一生が勉強だよ」と教えてくれているようで頭が下がります。