ぼんさんのひとりごと

bonsan no hitorigoto

ぼんさんのひとりごと

第145話 若い僧侶に望むこと

江戸時代寺院は幕府から手厚い保護を受けました。檀家制度もそのひとつです。

明治になって檀家制度は消滅しました。ただ長年の付き合いで菩提寺として150年

経った今でも従来の檀家が寺を支えてくれたのです。

今は信教の自由が憲法で保障されています、政教分離、宗教法人は公益法人として、

無税扱い、一般の法人より優遇されています。

若い住職は高学歴で今更申し上げることもないでしょうが、厳しい社会環境の中、

一般の人らは、リストラに遭い、恐々としています。

それに引き換え、住職になれば、二重三重にも保護され、滅多なことでもしない限り

首になることはありません。

自分を切磋琢磨することもなく僧侶の僧階の昇進をことさらに、欲しがったり、

檀家、信者に対し仏教を教えてやろう、そんな態度が伺えます。

そこで私なりの提案ですが、一般社会を知る機会を積極的に作ることです。

また、地域社会の役を進んで引き受け、まず自分が生活している地域の歴史、

習慣、自然、住んでいる人々を知ることから、今自分に出来ること、求められいること、

寺に期待していることを探ることができるのです。

葬式坊主、法事坊主と言われても良いのです、五分十分の時間を作り、相手の特に

高齢の人の苦労話を聞いてあげることです。決して高飛車にお釈迦様がこう言ったとか

弘法大師様がこのように言ったとか、しゃべらないことです。貴方の何倍も苦労した

人生の達人です。耳学問なのです。

 

最後になりましたが、こんな童話を私は今も肝に銘じています。

あるネズミの親子がいました、毎日近くのチーズ工場の倉庫にチーズを食べに行くのです、

腹いっぱいになるまで・・・・・・お祖父さんの時代から幸せな日々を送っていました。

ある日、工場が移転しました、ネズミの親子は途方にくれました。

明日からどうして生活していこうかと・・・・