ぼんさんのひとりごと

第46話 予知能力

■昭和21年12月20日夜に発生した、南海道地震の記憶が甦ってきます。
末の弟がこの年の4月26日に生まれて、母と私(小学校1年生)と3人が奥の6畳の間で寝ていました。
父は毎月20日の夜は石手寺へお大師さんの御通夜で泊まります。
この日母がいつも西向きに寝ているのに、今夜は東向きに寝ようかね!と言いました。

父の蔵書が沢山ありこの部屋の西側の鴨居の上に本箱を取り付けていました。
夜中に地震が来てこの本箱が布団の上に落ちてきたのです。本箱の角が畳にめり込んでいました。
丁度いつもの弟の枕の位置でした。今夜は反対に寝たので、足元になり怪我はありませんでした。
母はお父さんがお大師さんに頼んでくれたんやなあ!と私らに話してくれました。

今になって思いますに、お大師さんが救ってくれたのだと、思います。それともう一つ考えられるのが、

子を思う母の予知能力だったのかもしれません。 

この時難を逃れた弟も56歳になります。結婚して、二人の子と二人の孫に恵まれて元気でいます。
口癖のように、母は弟に「お前の命はお大師様に頂いたんやから、大事にせにゃいかんよ!」と言い聞かせていました。