■この間から庭のことで公園にも姿を見せなくなったお菊おばあさんの為に仲間のみんながこんな提案を持ち出しました。
あそこの無人駅のホームにお花畑を作らせて貰ったらどうでしょうか?
早速電鉄会社に交渉に行きました。
最初はお年寄りにホームをうろうろされては困るとか、会社の職員でもない者にホームの一部を占有されるのは問題があるとか、良い返事をして貰えませんでした。
仲良し老人の数人が次の日からこの無人駅のホームの掃除を毎朝するようになりました。
かれこれ一ヶ月が過ぎました。この駅から電鉄会社の重役の娘さんが通学しておりまして、お父さんにこのことを話したのです。重役さんご本人が老人会の会長にお礼を言いに見え、先般お花畑を作らせてほしいと言ってこられた事について誠に心無い返事をしたお詫びを申し上げたいと深く頭を垂れ、ホームの一部をお花畑に使ってくださいと申されました。
早速お菊おばあさんに連絡しました。「お庭が出来ましたよ!」
それからは季節の花がいつも駅のホームに咲き誇っています。通学の学生さん通勤の人らに優しい香りを楽しませてくれます。お菊おばあさんも明るく元気になりました。
ぼんさんのひとりごと
bonsan no hitorigoto