ぼんさんのひとりごと

bonsan no hitorigoto

ぼんさんのひとりごと

第97話 絵馬祈願文

☆小正月の1月15日に干支絵馬の祈願祭を挙行しました。その時に読上げた願文です。

夫れ以れば、池深くして蓮大なり、感応交も臻る。
水静かにして月盈てり、影響弥よ密なり。此れは是れ、仏と衆生と加持感応す不思議の境界を説きし訓えなれども、亦、人がよく物を創り社会を富まさんとする。志に応じて、社会は人々の願望をよく実現することを得るの喩ええとも云うべし。
実に生を治むる家は、みなこれ実相真如と違うこと無し。
中国の諺に云く 「窮まれば則ち変じ、変ずれば則ち通ず」と。
その意は、人は困しむときにこそ転機あり、転機あれば道は自ずから開けるとなり。
本日、茲にご宝前に香華灯明を献じ、般若法を修して、干支絵馬に所願を書き記したる教深寺壇信徒各位、家内安全、家運長久、身体健勝、息災延命、病気平癒、学業成就、進学成就、就職成就、良縁成就交通安全、商売繁盛、五穀豊穣、風雨順次、世界平和等々を祈願し奉る。
物事と己がすがたを正しく見るが大事と知り、「春に遭うときはすなわち栄え華咲く」の春は、実は己が心の中にありと信ずるこそが肝要なり。
重ねて云わん。
物の繁栄は月の水に満つるが如く、心水よく光を感受するときにこそ成就せん。
然れば功徳の願主、事事の現象にも仏の作用ありと観じ、仏心一如の境界に安んじて、日々の生活に邁進せられんことを。
仰ぎ願わくは、本尊聖者、即事即応の加護を垂れたまい、願主が、内心を開いて甘露の法味を施し、所願を成就したまえ。

乃至法界平等利益
維時平成二十一年一月十五日

沙門 夏生房大雅敬白